1.離婚手続きのあらまし > 2.離婚の方法 > 3.離婚成立までの生活費 > 4.子どもの親権 >
5.財産分与、慰謝料 > 6.子どもの養育費 > 7.年金分割について > 8.支払が滞った場合 >
9.配偶者からの暴力 > 10.母子家庭支援制度 > 11.注意してほしいこと

伊藤和子 夫からのDVや暴言、不貞行為に深く傷つき、悩んでいる女性の方々、 そして、突然離婚をつきつけられてとまどっている女性の方々、 そうした方々からの依頼を受けて、ひとつひとつの事件を処理してまいりました。 理不尽な仕打ちや暴力をこれ以上甘受したり、泣き寝入りする必要はありません。 依頼者の皆様をサポートし、法的解決を通じて、納得して新しい人生へと 進んでいただけるよう、ベストなリーガル・サービスを提供してまいります。

離婚手続きの流れ

離婚手続きの流れ離婚手続きのあらましは、この図をご覧ください。 2013年1月より「家事事件手続法」という法律が施行され、離婚を含む家事事件の手続がわかりやすくなりました。 これに伴い、家庭裁判所では、家事事件の申立書や申立の仕方について、以下のページで詳しく説明しています。
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/index.html
以下の私たちのご説明とあわせて、家庭裁判所のページもぜひご参照ください。

《離婚手続きの流れ》→大きいサイズ

離婚の方法

協議離婚、調停離婚、訴訟上の和解離婚(平成16年4月から認められた)、判決離婚の4つの方法がある。

1) 協議離婚  
当事者の話し合いだけで決め,届け出るもの(証人2人必要)
離婚届には未成年の子どもがいるときの親権者を記載する欄があり、親権者の指定が必要。
今年の4月1日から、離婚届の用紙に養育費と面会交流の取り決め状況をチェックする欄を設けられる。(面会交流や養育費分担を取り決めるよう明文化した改正民法が4月1日から施行)。
⇒ ただし、義務ではない。
財産分与・慰謝料などの取り決めを書く欄はない。
⇒ よって、これらの事柄は、離婚届とは別に契約書にしておく必要がある。
できれば公証役場に出向き、公正証書の約束をしておくのがよい。

2) 調停離婚 
 家庭裁判所で行われる。
男女2人の調停委員と裁判官の3人からなる調停委員会が、それぞれの事情や言い分を聞いて合意ができるように話し合いを進める。簡単に申立てができる。裁判所の相談窓口で相談可。 

3)訴訟 
調停がまとまらなかった場合に離婚をするには、家庭裁判所に離婚訴訟を提起する必要がある。現在では家庭裁判所が第一審。裁判では、相手に法律上の離婚原因があるかどうかが判断される。
法律上の離婚の原因(民法770条)

4)@不貞・A悪意の遺棄 B生死不明 C強度の精神病 Dその他婚姻 を継続しがたい重大な事由の5つ。
一番多い「その他婚姻を継続し難い事由」→結婚生活が完全に破綻し、やり直しができない場合。 この5つのどれかに当たる場合には、原則として離婚を認める判決が出る。ただし、有責配偶者からの離婚請求の場合には、婚姻が破綻していても、一定の要件(別居期間、子の成熟度、経済問題の解決等)が満たされなければ離婚は認められない。

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離婚成立までの生活費

《生活費の請求方法》
離婚を前提に別居している場合でも、離婚が成立するまでは家族の生活の費用は、夫婦がそれぞれの財産、収入等一切の事情に応じて分担することになっている。 例えば、夫が働いて生活を支えてきた場合、夫は、離婚調停中でも、別居中の妻子に夫と同程度の生活ができる生活費(婚姻費用)を渡す必要がある。
婚姻費用について、話合いがつかない場合は、家庭裁判所へ婚姻費用分担の調停を申立てる。調停でまとまらない場合は、審判で額を決定する。

《裁判所での生活費の決め方》
平成15年に東京と大阪の裁判官が発表した「『簡易迅速な養育費等の算定を目指して』養育費・婚姻費用の算定方式と算定表の提案」算定表すなわち夫・妻の収入、子どもの人数・年齢によって標準的な婚姻費用(生活費)を算定する算定表を基に婚姻費用を決める実務が定着している。
ただし、妻と子どもにとって不合理な計算根拠を含んでおり、弁護士会は見直しを求めている。
あくまで標準的なケースを想定しているので、具体的事情によって分担額を増減することが相当と判断される場合がある。

《決められた生活費の支払いを確実にするには?》
義務履行の勧告や命令を家庭裁判所が出してくれる。

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子どもの親権

《親権者を決める手続き》
親権者とは、未成年の子どもの財産を管理したり、子どもと同居して身の回りの世話などをして養育する人をいう。 しかし、親権者変更には、家庭裁判所において親権者変更の審判又は調停手続を経る必要がある。十分考えて決めること。
協議離婚-  離婚調停---審判又は裁判で決める。

《裁判所での親権者の決め方》
どちらを親権者とすることが子どもの利益になるかが判断基準
子どもの年齢と母親の必要性、双方の経済力、監護の実績や現状、子どもに対する愛情、子どもの意思、兄弟姉妹との別離などを総合的に考慮して判断。子どもが15歳以上の場合は、本人の意思を最大限尊重して決める。

《監護者の指定》
親権者と別に監護権者を指定することができる。

《面接交渉》
親権者や監護者にならなかった方の親が定期的に子どもと会うことを面接交渉という。
協議− 調停- 審判  近年では面接交渉に伴う紛争が増大
・子どもの利益・福祉を第一の目的とする。
・合理的な取り決めをすること、面接交渉の条件・ルール作りをすること
・DV案件の場合はどうするか。

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財産分与、慰謝料

《財産分与》
 (1)結婚中の夫婦の協力によって得た財産の清算と(2)離婚後の生活の保障という目的がある。
  • 清算的財産分与

結婚中の協力によって得た財産の清算
結婚後に形成された資産(不動産、預貯金など)について分与する。
貢献の割合については、夫婦の財産は2分の1ずつの共有という考えが原則

  • 退職金
  • 生命保険
  • 扶養的財産分与

清算すべき財産がない場合でも、離婚後夫の収入はあるが、今まで専業主婦であったり、又は老齢や病気である等のために離婚後の自活能力のない妻は、その状況により離婚後の生活の保障などを財産分与として請求できる場合がある。
財産分与は離婚時に決定するのが通常であるが、離婚後に請求する場合、
離婚の時から2年以内に家庭裁判所に請求の申し立てをしなければならない。

《慰謝料》
一方、慰謝料は、不貞、暴力などの不法な行為によって離婚せざるを得なくなった精神的苦痛に対する償い。 慰謝料は離婚時に決定するのが通常であるが、離婚後に請求する場合は、3年以内にしなければならない。

《税金は?》
財産分与や慰謝料を金銭や不動産でもらっても、もらった人には普通は贈与税や所得税はかからない。一方、財産分与した側や慰謝料を支払った人は、金銭で支払った場合には税金はかからない。しかし不動産を財産分与・慰謝料として相手に譲渡したときは、その不動産を売った場合と同程度の譲渡所得税が課せられる。不動産の購入をするときは資金を出した割合ではじめから共有名義にしておく、または、結婚して20年以上の夫婦の場合には2,000万円迄の贈与の配偶者控除の制度を利用するとよい。

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子どもの養育費

写真  子どもがいる場合には、離婚にあたり、できる限り養育費を取り決めておくこと。話し合いがまとまらない場合や、養育費を決めずに離婚してしまった場合には、家庭裁判所に養育費の調停を申し立てる。親どうしの協議で決めることができた場合には、近くの公証役場で公正証書にして、履行を確保。不払いの場合には「強制執行認諾」をさせること。

《養育費の額は?》
現在、全国の家庭裁判所で、平成15年に東京と大阪の裁判官らで作っている「東京・大阪養育費等研究会」が作成した「養育費算定表」が定着しているが、見直しの必要があることは前述のとおり。
※決まった金額のほか、病気、進学など特別な事情の場合に別途協議、という条項を入れておくこと。

《増額・減額したいとき》
一度決めた養育費も、事情が変わったら、増額減額を申し出ることができる。話し合いがつかない場合は、家庭裁判所に養育費増額・減額の調停の申立てをするとよい。調停でも話し合いがつかない場合は、審判に移行。審判で額の変更が認められるには、「著しい事情の変更」が必要とされる。

《支払わないとき》 
履行勧告、命令、強制執行

《相手方の破産》
将来分の養育費は破産によって影響されない。過去分の養育費は破産によっても免責されない。

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年金分割について

1)合意分割  
平成19年4月1日以降に離婚をした夫婦は、夫婦の合意又は裁判所の決定により分割割合を定めた上で、社会保険庁長官等に対し、結婚期間中(離婚が同日以降であれば、法施行以前の結婚期間も含む)の年金分割を請求することができる。(合意分割)。離婚をすれば自動的に行われるわけではない。
 年金分割の対象となるのは、被用者年金(いわゆる二階建て部分。厚生年金、共済年金及び企業年金のうち、厚生年金基金が負担する代行部分を含む)のみであり、基礎年金等は分割対象とならない。
 合意の上限は50%。裁判外で合意する場合は、公正証書を作成すること等が必要。合意ができない場合は、家庭裁判所で分割割合を定める。

2) 3号分割 (平成20年4月1日施行)
離婚当事者の一方が専業主婦のような被扶養配偶者であった期間がある場合に、被扶養配偶者は、夫婦の合意がなくとも、社会保険庁長官等に対し、その被扶養配偶者であった期間については、2分の1の割合で分割請求ができる。
 ただし、3号分割の対象となる期間は、平成20年4月1日以降に離婚し、かつ同日以降の被扶養配偶者期間のみ。ただ3号分割の対象とならない期間であっても、合意分割の要件に当てはまれば、合意分割は可能。年金分割の請求は、離婚から2年が経過した後にはできない。

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支払が滞った場合

《履行勧告の申し出》
家庭裁判所での調停、審判、判決あるいは和解で決められたことが守られないときには、家庭裁判所に申し出ると、相手に対して、決めたことを守るように裁判所が勧告する制度。 履行勧告の申し出は、文書、窓口、あるいは電話ですることができる 。
 この勧告は、婚姻費用、養育費、慰謝料、あるいは財産分与などのお金の問題に限らず、未成年の子の引渡し、子との面接交渉などの不履行についてもできる。裁判所は、勧告の前に相手を呼び出すなどして相手の状況を調べる。調査の結果、もし正当な事由がないのに約束を守らないということが明らかになったとき、家庭裁判所は相手に履行するよう勧告する。強制力はないが一定の効果は期待できる。

《履行命令》
履行命令に従わない場合,家庭裁判所によって10万円以下の過料の支払が命じられる。家庭裁判所はこの履行命令を出す前には、必ず相手方の意見を聞くことになっている。

《強制執行》
履行勧告や履行命令を経ても、相手が義務を履行しない場合は、強制執行の方法によるしかない。
すでに調停調書、審判書、和解調書、判決あるいは公正証書があれば、地方裁判所に対して強制執行の申立をすることができる。強制執行には、直接強制と間接強制がある。
 また、強制執行をしても目的を果たせず相手の資産の場所がわからないときには、相手を呼び出して財産開示を求める制度もある。

1) 直接強制  
裁判所の命令による相手の財産を差し押さえ。不動産・預貯金のほか、給与・退職金の差し押さえもできる。
2004年4月施行の民事執行法により、給与等の将来定期金について、婚姻費用等の支払に一部不履行がある場合、六ヶ月以内に確定期限が到来する定期金について差し押さえが可能となった。
2)間接強制 
 養育費や婚姻費用が支払われない場合に、裁判所が遅滞の期間に応じた一定の制裁金の支払を相手に命じて、履行を間接的に強制する方法。

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配偶者からの暴力

配偶者からの暴力の防止および被害者の保護に関する法律(2001年成立)
暴力とは「身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの、又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動」
保護命令が認められるのは、身体に対する暴力、または生命に対する脅迫
保護命令制度の拡充(2007年第2次改正)
1.「生命または身体に対する脅迫」を受けた場合でも保護命令が発令できる
2.被害者に対する電話や電子メールなども禁止できるように
3.被害者の親族や「被害者と社会生活において密接な関係を有する者」も、同意があれば接近禁止命令の対象にできるようになった

《配偶者暴力に対する対応》
暴力に関する証拠の保全(診断書等)
警察への相談
警察は、暴力の阻止、被害者保護、被害防止のための必要な措置をとらなければならない(DV8条)、「配偶者からの暴力相談等対応票」を作成し、保護命令の審理の際には裁判所の求めに応じて速やかに提出しなければならない(DV14-2)
パトロール・住民票の閲覧制限についての対応など。

■「配偶者暴力相談支援センター」への相談
東京ウィメンズ・プラザ(03−5467−2455)
東京都女性相談センター(03−5261−3110)
東京都女性相談センター多摩支所(042−522−4232)
東京都 港区子ども家庭支援部子ども家庭課家庭相談センター
 (配偶者暴力相談支援センター 03−3578−2436)
東京都板橋区立男女平等推進センター スクエアー・I(あい 03−5860−9510)
・相談、一時保護、カウンセリング、被害者を保護する施設の紹介、保護命令申立制度の利用に関する助言、援助

■避難
避難後の落ち着き先  福祉事務所からシェルターの紹介を受ける。
・住民票の閲覧制限等 

■保護命令申立
要件
1 配偶者から身体に対する暴力、または生命に対する脅迫を受け
2 さらなる暴力により生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいこと (※ 配偶者は元配偶者でもよく、事実婚も含む。)

以下の書式に記入して、自分で申し立てることができる。わからない場合は、女性センター、配偶者暴力相談支援センター、弁護士に相談を。
保護命令申立ての手続

■保護命令

  •   接近禁止命令  6ケ月
  •  退去命令    2ヶ月
  •  電話等の禁止  6ヶ月
  • 子ども・親族に対する保護命令  6ケ月

■保護命令に違反した場合 
  一年以下の懲役または100万円以下の罰金
地方裁判所に申立。審尋は1週間ないし10日。
早めの法的手続が重要。

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母子家庭支援制度

■児童扶養手当
子ども1人の場合、所得に応じて、毎月9,810 円から最大41,550 円まで支給し
(2人目は5,000 円、3人目以降は1人につき3,000 円加算)※ 所得制限あり
■特別児童扶養手当 20歳未満で精神又は身体に障害を有する児童を家庭で監護、養育している父母等に支給。
支給月額  1級 50,550円  2級 33,670円
■多くの自治体で、母子家庭・父子家庭は、保育所の優先入所の対象。
保育料の決定の基礎となる収入(調停中でもできる自治体多し)。
■就労支援 ハローワーク等。
■教育訓練
@自立支援教育訓練給付金事業 
母子家庭の母を支援、雇用保険の教育訓練給付の受給資格を有していない人が対象教育訓練を受講し、修了した場合、経費の20%10万円を上限)を支給。
A高等技能訓練促進費等事業
看護師、介護福祉士、保育士、理学療法士、作業療法士、その他都道府県等が地域の実情に応じて定める資格などの資格取得を目指して2年以上養成機関で修学する人に修業期間中、生活費の負担軽減のための給付金(高等技能訓練促進費)を支給。※ 支給額は、最大、月額141,000 円
■その他、自治体ごとに様々な支援制度。以下のサイトで参照してください。
とうきょう福祉ナビゲーション

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注意してほしいこと
  • 慰謝料等の取り決めをしないまま、不本意に離婚届にサインしないこと。
  • 協議離婚の場合の離婚の取り決めは、公正証書にすること
  • DVその他の離婚原因について、できる限り証拠収集をすること(診断書、写真、日記を書く、メール等のやりとりを消去しない)
  • DV事案は早期に保護命令を申し立てる
  • 調停で示された解決案に納得できない場合は、安易にあきらめず、審判・訴訟移行も検討すること。その際、弁護士によく相談すること
  • 期限を忘れないこと(財産分与、年金分割は2年、慰謝料は3年)

日弁連では意見書を出しました。

「養育費・婚姻費用の簡易算定方式・簡易算定表」に対する意見書 (PDF)
配偶者暴力事案及びストーカー事案の被害者に係る住民基本台帳閲覧制限等について(通達)(PDF)
東京ウィメンズプラザ
東京都福祉保健局 東京都女性相談センター

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